2015/10/04

フューチャーのために

2015年と言えば『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』。その理由が分かるひとは“通”と言えます。

前作の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(Back to the Future)は1985年アメリカのSF映画(直訳「未来に戻る」)。公開当時は全米で「フューチャー現象」と呼ばれるブームが生まれるほど大ヒットしました。そのPART2は、本編が第一作で完結していたにも拘らず制作された続編です。内容は、主人公のマーティ・マクフライ達が未来の自分の子どもを救うために2015年へタイムトラベルをするというもの。そこに描かれた2015年の未来都市の姿は衝撃的です。マーティの友人である科学者ドクの作ったタイムマシン「デロリアン」(時々横須賀にもレプリカが出没)で2015年に行ってみると、あるわあるわ、未来の便利グッズの数々が。

しかし30年経った今、その内の幾つかは既に実現しています。①自動でヒモが締まるスポーツシューズ(ナイキ製)、②眼鏡型コミュニケーションツール(グーグルグラス)、③タブレット型コンピューター(iPadなど)、④「手を使わない」ゲーム(Wiiなど)、⑤壁掛けタイプの薄型テレビ(それもワイドスクリーン、マルチチャンネル)、⑥3Dムービー、⑦ビデオ会議、そして⑧ホバーボード。特に⑧は、自作で275.9mの飛行に成功してギネス記録を更新した男性がいる他、トヨタの高級ブランド「レクサス」の研究チームが液体窒素を使って実現しました。その試験走行ではホバーボードが実際に浮いて動いている姿を、Youtubeでも閲覧できます(問題は販売額ですけれどw)。

十年一昔と言いますが、30年も経つと、当時は想像するだけであったことがかなり実現しているものなのですね。もちろんそこには、想像したことを目標に掲げて日夜取り組んだ研究者、努力家がいたのです。ですから、絵空事と笑われても目標を掲げて努力することが尊い、と言えるでしょう。ただし、それだけに「この発明、開発は、誰が何のためにどう使うべきなのか」を明確に示しておく必要があるように思います。そこに神への畏怖、隣人を思う愛情が無ければ、ドローンの軍用化や古くはダイナマイトの兵器化同様、隣人の命を奪う発明とさえなるからです。

すばらしい発明品を何のために、どのような心で使うのか。私たちの選択や判断、そして目的意識そのものを、明るい将来(フューチャー)のためによく吟味したいと思います。