2016/10/04

あなたの伴走者は誰ですか?

リオデジャネイロ・パラリンピックで初実施となった陸上女子マラソン(視覚障害)で、道下美里さんが銀メダルに輝きました。おめでとうございます。そして、ご夫君を含む「伴走者」のお二人も本当におめでとうございます。


目の不自由なランナーなどの目の代わりを務め、ガイド役として一緒に走る人を「伴走者」と言います。このひとはただ単に選手と一緒に走るだけではありません。例えば、選手と一緒にロープの輪を持って走ります。これを巧みに使いながら「緩やかな上りです」とか「足もとに凹凸があります」、30メートル先で右に90度曲がります」などと言い、コースを選手に伝えます。また、他の選手や伴走者のことも意識して、「少し右に逸れて、前の選手をよけるようにしましょう」などと提案もするのです。それも二人分の幅や高さを把握していて初めてできる助言です。水分補給所や勝負どころでは一層の配慮が必要でしょう。更には、練習中や本番を問わず、周囲の風景を伝えて、走る楽しみを共に感じたり、苦しい時には励ましの言葉を掛けたりするそうです。これらのガイド力が乏しいと、伴走者のミスのためにレースで失格になることもあるそうです。ですから伴走者には大きな力量が求められます。そして、伴走者は選手よりもいつでも早く走られる者でなければなりません。だから二人の伴走者を用意するのです。


リオの中継を見ながら、私はマラソンだけでなく、人生にもこのような伴走者が必要であることに思いをめぐらせていました。特に、先が見えない人生を突き進んでいるような人には尚のこと、伴走者が不可欠です。でも、どうぞ安心してください。あなたの伴走者を引き受けてくださっている方がおられます。それはイエスさまです。使徒パウロは、イエスさまが自分の伴走者であることを喜びながら「神がキリスト・イエスによって上へ召して、お与えになる賞を得るために、目標を目指してひたすら走ることです」と記しました(フィリ3.14)。何とありがたい人生レースでしょう。後はただ、イエスさまの言葉を聴き取りながら、それを信じて走ればいいのです。そうすれば、必ず勝利の栄冠を戴けることでしょう。