2017/06/04

花 の 日

6月は国民の祝日が一つも無い月です。けれどもボクが横須賀に来て初めて祝うようになった祝日があります。それは「花の日」と言います。

今から百五十年ほど前、1856年のこと。マサチューセッツ州チュルシイ市にある教会のレオナルド牧師が、6月のある日曜日を定めて少年少女のために特別プログラムを作り、子どものための集会を行なうことを考えました。すると、この提案に賛同する人々が集まり、1866年にはアメリカのメソジスト教会の年会(=教団総会)において「6月第2日曜日を『子どもの日』として教会行事に加える」ということを決議したのです。その位置付けは「少年少女たちの宗教教育を強調すること」にあったそうですが、同時に(アメリカでは)一年中で最も多くの花が咲く季節であることから、信徒たちが各々花を持ち寄って教会堂を飾り、礼拝後、その花を子どもたちに持たせて病院を訪問させ、病人を見舞い、また警察(派出所)や各社会施設を慰問したりしたのです。つまり、子どもの日であるからと言って、単に子どもを中心にしたレジャーを奨励するのではなく、奉仕と感謝の心とを子どもたちに実地で学ばせる機会にする、という配慮がなされたのでした。恐らく、そのためなのだと思います。やがて、この「子どもの日」は「花の日」とも呼ばれるようになり、子どもの信仰の成長を教会全体で覚えて取り組む行事が計画、実践されるようになったのです。

横須賀小川町教会でも6月第2日曜日を「花の日」と定めて、午後には社会施設等を訪問しています。それだけではなく、いつもは9時から始まる教会学校礼拝が主日礼拝(10:30〜)に合流する「総員礼拝」を行なうようにもなりました。大人も子どもも花を持ち寄り、礼拝室をカラフルに彩って、一緒に礼拝するのです。もちろん、それらの花は礼拝後、幾つかに束ねられ、社会施設に届けられるのです。ちなみに2017年は横須賀中央消防署に届けます。そして「いつも社会のためにありがとうございます」という言葉の花束も添えるのです。

教会の「子どもの日」は大人が子どものいいなりになる日ではありません。「何が子どものためになるか」ということを考える大人たちにより、子どもたちが信仰の実践を手習いする日です。だから、と言って良いでしょう。その日は最初に礼拝室を色とりどりの花で飾り、子どもも大人も一緒に神さまを礼拝するのです。どなたもぜひお越しください。